「今感じてんのは、
S.O.Sにしても、悪い夢にしても、
BLITZの影響ではじめて生まれて形になったわけだし、今作ってる良い夢(仮)にしても、クロバビファンク(仮)(笑)にしても、ON AIR EASTの僕が失敗だったのがわかっちゃったからで、(僕が駄目なだけで、ライブはとっても楽しくてよかったんだよ)こうやって、そういう刺激がちゃんと形になっていくのは、今までなかったことで、もうかけがいない。
正直言って、自分の音楽性に対して、こんなに真剣に戦いをいどむっていうか、するするできちゃったり、しぼりだすようにして作るにしても、向き合うようになれるとは思わなかった。
おせーよなのか、はえーなのかわかんないけど、
僕はもう作ることをやめないと思う。
それに全ての根源であるライブをやめることもない。」

って、ホームページのモノローグに書いた。もう少し詳しく書いてみようっと。
 自分の中にいろんなものが生まれているのが分かる。あの大きな自然の中で、最初にDEATH VALLEY行って「すげー」って言ってから2日間、僕は感動することができなかった。「Save Our Soul」は僕の心の中をひっくりかえしたり深く深く掘ったり、すごく痛めつけて書いた歌詞で。あれを書けたのは僕にとって大きなことで、その掘りすすんで晒された神経がむき出しになったままEASTを演って、僕は身体の外から入ってくるビリビリするようなエネルギーを毛穴から垂れ流しているだけで、溜め込んで一杯になって外へ放ち返すことができなかった。すげー楽しいライブで、僕ははっちゃけながらも、「クロダはこうじゃない」と気付きながらも、みんなとのデートを終えて、そのままシングルの制作に突入。自分が書いた歌詞は、自分に痛かった。
 すごくいい作品になったよ。今まで歌いたいということと、歌いたい事柄はわかっていても、歌いたいサウンドをわかっていなかったのかも。レコーディングを進めながら、誰がいいと言おうが、誰がいまいちだと言おうが、クロダが作りたいのはコレ、みたいな音がどんどん形になっていって、それを消化するのに、撮影2日間を無駄にしてしまったわけ。「お前いけてないよ。わかってる?撮りようがない」と言ってくれた夏野さんには申し訳ないと共にすごく感謝してる。
 3日目たどりついたMONUMENT VALLEYで、僕はスタッフとコマ撮りの見張り番をしながら、「今朝の撮影で涙が出てきた。」全部が合致して怖いくらいだった。という話をした。あのビデオには、僕が撮った(見張った)大いなる自然が無音の轟音をたてて映っている。
 アルバムを作りはじめたんだ。1/25からスタジオに入って、毎日新しい音を作ってた。歌いたいものをことばにすることも、旋律にすることも少しずつ出来るようになっていると思う。そしてそれをサウンドにしていくことも始められたような気がする。久しぶりに会って僕にインタビューしてくれた彼が、「すごいね」と言う。「なにがっすか?」と笑いながら応える僕は、でも、その意味を知っているし、「これからは、本当の意味でソロ黒田倫弘に協力したい」と言ってくれた意味もわかっている。
 僕の心は何度もへこたれたり、調子に乗ったりしながら、歌になって盤に焼きつけられてってマス。ちゃんと受け取れよー。そしてライブで一緒になろう。

020501:F66会報内エッセイコーナー(020601発行)より

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