こんにちは。黒田スーパー倫弘です。
楽しかったよ。66ライヴ。
32歳になりました。
GibsonのJ-200っていうギターがある。ギター好きならいつか欲しいと思う名器だ。ボディーが大振りで、ムチャムチャかっこ良い最高級のアコギ。ボーカリストがストロークで歌うなら最高の武器で、はったりで生きてるロックボーカリストな僕は、本当に本当に欲しかった。30歳になる自分に、誕生日プレゼントに買ったのはGibsonのJ-45。これだって相当思い切って買ったんだ。ビンテージもあったけど、こいつは自分が引き続けて、一緒に年を重ねよう。そう思って買った。Icemanのころ、いつか弾いて歌おうと思って買ったのはグレッチのオレンジ色のギター。形と色に惚れて、ギターの良い音もわからないまま、必死でいろいろ考えて、今の僕に、これからのために買った最初のでかいプレゼントだったよ。残念ながら、少し耳ができた今聴くと、このオレンジグレッチくんは、ちょっと音が硬すぎて、僕の声には似合わない。それでもいつか、僕の声がもっと深く響くようになったら、案外しっくりくるのかもね。そんな風にギターと付き合っていきたいと思うようになったのもJ-45を買ったころからだ。
下手なギター、それでもギターで作った曲もある。僕が自分で弾き語りしたのはフレンズだけだけど、そうやって歌う歌も作っていきたいと思ってる。そうフレンズはそんな風に思って僕が初めて作った曲。渋さとはどうしても無縁だった20代の僕は、それを武器だとも思いながらも、ソロを始めるにあたって、停電になってもロウソクの明かりひとつで歌える歌。心があたたかく灯がともるような歌も歌っていきたいと思って、そのころ知っていた簡単なコードをならべてフレンズを作った。
6/6の誕生日に、全国のファンの人とバンドメンバーとスタッフが結託して、僕に内緒で大きなプレゼントを用意してくれたんだ。1962年生まれのJ-200。僕より10歳年上で、アメリカで買い付けられて僕のところまでやってきたそいつは、ジャランと鳴らすと身体中が共鳴するくらい鳴る奴で。66ライヴのアンコール、何も知らないのは会場の中で僕だけだったんだって。みんなにおめでとうを言われながら、それだけだってすごくうれしいのに、古びたケースに入って僕の目の前にやってきた。ステージで何も知らない僕に状況を説明できるのは葛Gだけだろうっていうことになって、説明役を買って出てくれた葛Gと、せっかくのオフにギターを探しにいってくれたBABIちゃんと、にやにやしながら、キョトンとしている僕に、「よ!
幸せもの!」と背中を支えてくれるSEIちゃん、やっさん、こんちゃん。袖ではスタッフが僕の一挙手一投足を見守ってるし、客席のみんなは、キラキラと輝いた笑顔だ。その上、そこに集えない人たちの想いまで詰まってるJ-200は、僕が一番欲しかったそのまんまの渋いサンバーストで、前のオーナーが大切に扱っていたのか、何度もリペアされているんだって。その上、ものすごい鳴りなんだ。ケースを開けてすぐ閉めちゃった。びっくりしたんだよ。なんでここに僕のあこがれが入ってんの?
身体につたう振動にびっくり、マイクを通したら、会場中に響いた。なんにも考えられなかったけど、うれしくてうれしくてフレンズを歌いはじめてた。
ああ、僕は幸せ者だ。ライヴをするたびに思うのに、輪をかけて何がなんだかわかんなかった。このギターを持って全国に歌いにいかなくちゃ。1曲でも多く、ひとりでも多く。僕ができるのはそれだけだ。
そして、そのお返しになる! って言い切れる作品も作れていることが自分でもうれしい。みんなの愛に負けないすごいやつ。もうすぐ聴かせられるから。
本当にどうもありがとう。
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